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2012.01.25

憲法の研修「一人一票の実現!」その2

「憲法的視点で考える司法書士業務」の研修についての続きです。
講師は、伊藤塾の塾長の伊藤真先生です!

始めに、いまがどういう時代かについてが語られます。
貧困と格差の急速な拡大、生活保護受給世帯の増加、ワーキングプア・自殺者数・飢餓者数の増加など、現代日本の問題が挙げられます。

そして、2011年3月11日の東日本大震災について、東北地方から関東地方を襲ったマグニチュード9.0の巨大地震、津波、福島第一原発の事故と風評被害が取り上げられます。

復興のあるべき方向性は、財界のための復興ではなく、憲法の保障する人間中心の復興であるべきと、伊藤真先生は語ります。

そもそも、法律はなぜ正しいかということについてです。
法律はなぜ正しいかというと、その地域や時代の多数の人の意見(多数決)に従っているからです。これが民主主義の原則です。
では、多数意見は常に正しいのか?答えはNOです。人間は間違いを犯すことがあるからです。

そこで、憲法の必要性です。多数意見が常に正しいわけではない、多数意見でも奪えない価値を守る、それを守るのが憲法と伊藤真先生は語ります。

次に、法律と憲法の違いについてです。

法律は、国民の自由を制限して、社会の秩序を維持するためのもの
(国民に対する歯止め)
憲法は、国家権力を制限して、国民の人権を保障するためのもの
(国家に対する歯止め)

すなわち、憲法とは、
国家権力(多数派・強者)を制限して、国民(少数派・弱者)の権利・自由を
守る法(強者の弱者への理不尽を許さない)との説明がなされます。

ここで、日本国憲法の根本価値についてです。
憲法の前文には、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という日本国憲法の三大原則が示されています。

この中で最も大切なのが、基本的人権の尊重です。
憲法第13条前段には「すべて国民は個人として尊重される」と規定されています。この第13条前段(個人の尊厳)の規定が、憲法が「基本的人権の尊重」を理念とすることの根拠条文の1つとなっています。

この後、人権とは何か、自己決定権、手続的正義、平和主義についてもスライドの映像を交えながら説明がされます。

次回は、今回の研修の核心である「1票の格差」の問題についてです。

憲法の研修「一人一票の実現!」その3